E-M1レビュー

早いもので、2003年にE-1が発売されて、もう10年も経ってしまいましたね。
発表当時、「プロの、プロによる、プロのためのデジタル一眼レフシステム」「本気などと言う生やさしいものではなく、オリンパスは気が狂ったのかと思われるほどの決意を持って、プロの期待に応える」「今後30年はシステムの供給を続ける」「オープンフォーマット」と夢一杯に登場した事が昨日の事の様です。(涙)
10年の間にフォーサーズ自体は、デジタル専用設計、ダストリダクションのゴミゼロ性能、ライブビュー、ミラーレスなどと数々のエポックメイキングな技術を生み出したと思います。
ですが、E-5やPENを一緒に使っていると、ある意味現状のDSLRタイプのEシステムの限界を感じつつあったのも事実です。
やはりボトルネックは、本来は最大のメリットでもあるはずの4/3センサーの画質以外の部分の問題です。
他社が、上位機種をセンサーサイズで差別化し、画質等でも差を付けられるのに対して、上位機種も同じセンサーサイズであるフォーサーズは操作性や、ボディ性能と写真の仕上がりでしか機種間の差を付けられなくなっていた部分もあります。(逆にエントリー機はお買い得なのですが)
また将来のボディ性能を見据えて設計されたレンズのオーバークォリティも、性能重視だった為にメリットだったはずのサイズ上でも35mmやAPS-Cフォーマットとの差を付けにくくなっていたと思います。
事実上のフォーサーズ最終作であるE-5の光学式ファインダーは素晴らしい出来でしたが、センサーの小ささから来る光学ファインダーの倍率の限界を自分は感じていました。
また、フォーサーズにとってE-1に続くエポックメイキング機であるE-330の世界初のライブビュー機能や、初めて登場したBモード拡大を利用した撮影は、今後はAFの高性能化とフォーカスピーキング等でマニア向けの機能になるとは思いますが、現在はDSLRやミラーレスの標準機能として一般的です。
しかしながら、マイクロフォーサーズフォーマットはミラーレス構造によって、非常にデジタル専用設計のメリットが生きる様になってきました。
個人的には、懐古的なDSLRとOVFも素晴らしいのは認めますが、EVFで良いんじゃないかと思います。(笑)
幻のE-7のモックアップも公開されていますが、当たり前ながらフォーサーズボディではマイクロフォーサーズレンズが使えない以上、今後のメインボディはマイクロフォーサーズの方がデメリットよりメリットの方が大きいと思います。
また、EVFのデメリットよりメリットの方が大幅に勝っていると思いますし、当たり前ですがビデオカメラは映画用も含めほとんどEVFですしね。
自分の場合は、フォーサーズレンズを使う時にはMFが多いので、実はたいした問題ではないのですが(笑)、マイクロフォーサーズは基本的にコントラストAF、フォーサーズは位相差AFなので相容れない部分があったのですが、普通にフォーサーズレンズをマイクロフォーサーズボディで使う上ではやはりこれはボトルネックだったと思います。
今回のE-M1においては、遂にその問題を解決できました。
それが、「コントラストAF」と「像面位相差AF」を実装したDUAL FAST AFです。
当然ながら、フォーサーズレンズの場合はマウントアダプターを付けなくてはマイクロフォーサーズマウントなのでレンズはE-M1には付きませんが、これでAFに関してもシームレスにフォーサーズとマイクロフォーサーズのレンズを使う事が出来る様になりました。
自分の実感では、今迄のマイクロフォーサーズボディでは「ガガガ」とレンズが駆動しましたが、像面位相差AFでは「グググ」とコントラストAFの様な動きが実現されていて、MSC機構採用以前のMZDレンズの様なイメージです。
聞いた話では、レンズによっては更に最適化されいるものもあるので、E-5比でもかなり速く動くレンズもあるそうですが、これはE-P5でも聞いた話ですので、きっとそうなのでしょう。
また、新画像エンジンによって、旧来のフォーサーズレンズに関してレンズ毎に倍率色収差、モアレ、シャープネスを適切に補正するそうです。
フォーサーズとマイクロフォーサーズを統合したモデルE-M1との言葉に偽りは無いと思います。
そんなE-M1、自分は12-40mmのセットを予約しましたが、とりあえずオリンパスのフェアで触って来ました。(笑)
第一印象は、とても自然なカメラです。
撮影だけに集中出来そうな、本当にカメラの存在を感じさせない位に自然な感じのカメラです。
フラッグシップだから、撮る方も気構えてくれと言う感じのカメラではなくて、すぐにすっと手に馴染みます。
新機種なんですが、驚く事が無い位に自然に手に馴染みます。
これって、ある意味凄い事です。
売りである大型EVFやグリップ、操作性も自然に良い感じなので、何だか気がつきません。(笑)
購入後は、カスタマイズも出来るので、更に使いやすくなるでしょうね。
良い意味で、今迄の新しいオリンパス機を触った時にあった、「あれっ?」と言う感じが皆無で、非常に良く出来ています。
運命のいたずらか?自分の触ったE-M1は、最初は何故かフォーサーズレンズしか無かったので最初はZD12-60mmやZD50-200mmで試しましたが、位相差と言ってもレンズの動き自体はグググッって感じでコントラストAFの動きに似ています。
これはレンズの構造上の宿命でしょうが、それでも良くここまで出来たなと素直に感心しました。
少なくとも、今迄のマイクロフォーサーズボディでフォーサーズレンズを使った時の、あのガッチャンガッチャンではありません。
前述の通り、逆説的ではあるのですが、やっとZDレンズを生かすボディが出たとさえ自分は思えました。
個人的は、ZDレンズに関しては、ZEROコーティングや円形絞り、マウントをマイクロフォーサーズにする等の小規模な改良をして、リニューアルして再度発売してもらいたいとさえ思いました。
あと定番の5軸手振れ補正は更にチューニングによって強力になったそうで楽しみです!
このE-M1に関しては機能ももりだくさんで豊富なので他の機能に関してはメーカーのHPカタログをご覧下さい。(笑)
個人的には、カラークリエーター機能で彩度と色相を操れる機能も面白そうです。
実は、E-1にも隠れた似た機能が付いていて、RGB強調と言うのがありまして、自分はCM3「B強調」でオリンパスブルー、かつてのコダックブルーを強調した事もありますので個人的に懐かしい機能です。
ただオリンパスブルーに関しては、センサーや画作りだけでなくZDレンズの抜けの良さも要因の一つだと自分は思っています。
それから、新しいMZD12-40mm F2.8は個人的にはドンピシャのレンズ、描写も良いし、寄れるし凄いレンズです。
まだ良く分かりませんが画質的にはZD14-35mmとZD12-60mmの間くらいの様な気がします?
また、今迄の一部のMZDレンズに採用されていたパンフォーカスを利用したスナップフォーカス機構では無くて、MFクラッチ(マニュアルフォーカス・クラッチ)機構が付いているのも非常に良い感じです。
ヨーロッパではオマケでもらえるそうですが、まぁ要らない人も多いと思うので自分は気にしませんが、別売りの縦グリップHLD-7も、E-1やE-3、E-5の様に電池裏蓋を外して等と言う手間もなく、またOM-D E-M5の縦グリップHLD-6の様に複雑な事も無く、非常に簡単に付け外せる感じでしたので、状況に応じて、縦グリップをすぐ外すという使い方も出来そうで個人的に気に入りました。

ですが、褒め殺しになってしまうので、個人的な意見として欠点と言うか要望と言えば・・・
個人的にはE-M5にはあったシルバーモデルが無いと言う事ですが、写り込みを考えれば黒でしょうし、カメラの場合黒の方が高級ですし、カタログにも「高級感のある黒」とあるので、これは無い物ねだりです。(笑)
あと、液晶が縦に動かない事ですかね?
E-3、E-30、E-5で採用されたバリアングル液晶は縦位置のローアングルでのライブビュー撮影に威力を発揮しまして自分はとても好きな機構で、現在でも、キャノンのEOSやパナソニックでも採用されています。
ただ光軸がズレる、強度の問題、薄く出来にくい等、E-M1には要らない機能かなと自分も思っているのも事実です。
なので、ニーズの少ないマニアの要望なのでアングルファインダーを使えばいいかなと個人的には思っていました。(笑)
少し微妙ですが、E-M5にもバリマグニアングルファインダーVA-1が使えるので、ファインダーが大型化したE-M1には微妙かなと思いつつこれでいいかなと思っていたのですが、何と今回からアイカップの仕様が変わり、外れにくくなったそうです。(分かる人は分かりますよね?)
その為、VF-1等のアングルファインダーは付かなくなりました。
おそらく、今迄使えていたキャノン用も、多分付かなくなっちゃったと思いますので、需要は超少なさそうですがファインダーアダプターの対応品が欲しいです・・・(涙)
個人的には4/3フォーマットは3:2に対して、縦位置の写真の収まりが良いのも美点だと自分は思っているので、せっかく縦位置対応のジオラマ2があるんですから、液晶は縦に動かなくていいので、もうちょっと縦位置の方を救ってもらいたいですね。
そんなカメラの仕様だからなのか?気のせいかトークショーの作例も横写真が多数で、清水哲郎さんの作例しか縦写真が無かった様な・・・
あとは十字キーに変わる新しい操作性、例えばパナソニックのGH3の様なタッチセンサーを使ったAFポイントの選択機能や、4Kとは言いませんが、もうちょっと強力なムービ機能くらいでしょうか?
ただ、今回のフェアの講演でAFが撮影者のクセを覚えるという話があり(車の学習用ATみたいですね)、未確認ですが、それならばAFの細かい操作ギミックは要らないのかもしれません。
あと、今更ですが4:3フォーマットの大判のプリント用紙(銀塩ペーパー)ですかね?せっかくの視野率100%なのにプリントすると微妙にケラレるので勿体無いんですよね。
枠有りで自分でプリンタでプリントすれば大丈夫なのですが、銀塩写真プリントが自分は好きなので・・・(苦笑)
でも、ほとんど欠点は無い感じのカメラですので、はやく使い込みたいですね。
別にカメラで良い写真が撮れる訳では無いのですが、良い写真が撮れそうな雰囲気満々のE-M1です。(笑)
E-1を触った時の様に、このカメラは永くずっと手元において愛着を持って使えるかな?と思った久々のカメラです。
またMZDレンズのPROシリーズに関して、「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」「広角ズーム」「超望遠レンズ」もあるので、こちらも非常に楽しみです。
特に愛用レンズのZD7-14mm F4を超える性能の広角ズームを期待しています!
長文ですが、自分のE-M1の第一印象です。